私のスタートライン|焙りたてコーヒー教室主宰 安藤恵子さん
私のスタートライン
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私のスタートライン|焙りたてコーヒー教室主宰 安藤恵子さん
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東濃地域で「私らしく」活躍する方に焦点を当て、毎日を全力で楽しむ「秘訣」をご紹介するインタビュー記事「私のスタートライン」
今回お話を伺ったのは、可児市を拠点に『焙りたてコーヒー』や『カカオ豆から作るチョコレート』などの講座をされている安藤恵子さん。
看護師として介護の現場で勤務されていたときに感じていたことや、カフェではなく教室を選ばれた理由、じつはコーヒーが苦手だった!?…など、美味しいコーヒーが飲みたくなるような素敵なお話、いろいろ伺ってきました。
目次
五感を使って情報を知識へ…。焙りたてコーヒーと体験を味わう教室【an.coffee roast(アン.コーヒー ロースト)】
出会いはカルチャーセンター
――焙りたてコーヒーとの出会いは?
正直に言うと、もともとコーヒーが大好きで仕方なかった…とかじゃないんです。
昔からコーヒーの香りは大好き。だけど、飲むと味違うんだよなぁ…って思っていて。あの酸味が苦手。絶対これは酸化だ!ってずっと思っていました。
可児市内のカルチャーセンターで焙りたてコーヒー講座をやっていると知って、自分で焙ったコーヒーだったらどうなのかな?と習いに行ってみたのがきっかけです。

そこで焙りたてのコーヒーを淹れて飲んだとき、あっ、全然違う!って感じました。
これからは自分の好きなことを…
――コーヒー教室を始められたきっかけは?
以前は看護師として、介護施設でパート勤務をしていました。介護の現場って、仕事ではあるけれど、どこかボランティア精神で成り立ってる部分も少なくないんです。
ずっと、そういうものだって思ってやってきたけど、40になったとき、これからは自分の好きなことをやろう!って。それからいろんなことを始めました。コーヒーもそのひとつ。始めた頃は、自分が飲んで楽しめればいいっていう感じでした。

でも50を越した頃、このままの状態で働いていって、60過ぎて定年を迎えたとき、なにが残るのか?もっと自分の時間を大切に使いたい!って思うようになって。自分の好きなことを仕事にできたらいいな…と、退職を決意しました。
退職を決意したものの、それまで仕事や家庭を優先してきたから、自分の好きなことってなにかわからないんです。だから好きなことっていうよりも、長く続けていたものならやれるような気がして、コーヒーを含めた いくつかの習い事から探すことにしました。
もちろん、どれもメリットとデメリットがあります。好きなことがわからないなら、まずは少しでも嫌だと思うことからやめていこう!って。それで残ったのがコーヒーでした。
――カフェではなく、教室を始められたのはなぜ?
最初はカフェも考えました。ただ、仕事にするとなったら、やりたい!って気持ちだけじゃなく経済的なことも大切で…。いろんなことを考えたし、コーヒーを教えてくださった先生に相談もしました。
先生から「すぐにカフェを始めるんじゃなくて、まずはファンをつけることが大事!」とアドバイスされて、あっ、そっか!と。いろんなことが腑に落ちました。それまでは人に教えるなんて考えたこともなかったけど、そのアドバイスで教室をやろうと決意して、今に至ります。
こんなチャンスはもう二度とないかもしれない…
――教室以外にされている活動は?
コーヒーに関わることだと、月に一度、食料品販売店の店舗前にテントで出店して、焙りたてコーヒーの販売をしています。

こちらは3年半くらい続けていますが、毎回来てくださる方や、コーヒーだけじゃなく、私とのおしゃべりを楽しみにしてくださる方もいて、私にとって励みになっています。
コーヒー以外だと、alaのイベント時にチケットのもぎりや案内をするフロントスタッフ。それに里山クラブという団体の活動にも参加させてもらっています。
大阪でコンサートを鑑賞させていただいたことがきっけかで、さまざまなCMソングを歌われているMinehahaさんのコンサートを可児市で主催させていただくことになりました。
私にできるのか…と迷った時期もありましたが、こんなチャンスはもう二度とないかもしれないと挑戦することに決めました。
2026年2月20日、可児市のalaで開催予定のため、今は準備に大忙しです。初めてのことも多くて、不安になることもありますが、このチャンスをつかむことができてよかったなと思っています。

今は満席のお客様が笑顔と感動の涙で鑑賞している姿を想像しています。
体験から資格取得まで。自分に合ったスタイルで
――どんな講座が受けられますか?
焙りたてコーヒーの講座と、カカオ豆からチョコレートを作る講座をやっています。
コーヒーは、まずは自分で焙煎したコーヒーを飲んでみる体験講座。最近では恵那市の市民講座で講師もさせていただきました。
それから基礎コースと上級コース。こちらは毎月やっている感じです。

チョコレートの講座も、コーヒーと同じく体験講座と基礎コースがありますが、今は一度体験された方が、ほかの方を誘って体験講座を依頼してくださることが多いです。
ちなみにチョコレートの体験講座では、カカオの焙煎器を使ってコービーの焙煎も体験していただきますので、チョコレートと焙りたてコーヒーを同時に楽しんでいただけます。
――大人向けの講座ばかりですか?
普段は大人の方がほとんどですが、2025年3月にお子さん向けのチョコレート体験講座をさせていただきました。
小さいお子さんは親子での参加が必須でしたが、大きいお子さんも親子で参加してくださる方が多くて、年齢問わず興味をもってもらえるんだなぁとうれしかったです。

大人にはない発想のデコレーションとか、大人向け講座のときとは勝手が違うことも多くて、私も楽しかったし、勉強にもなりました。

挑戦に年齢は関係ない
――印象に残っているエピソードはありますか?
自宅を改装して近くの人たちが集まれる場所を作りたい!って、コーヒーの講座を受けに来てくださった80代の方。道具も豆も一式そろえて、家でお孫さんにふるまったら「ホンモノやな」って言ってもらえてうれしかった…って話してくださったのが印象的でした。いくつになっても挑戦できるって素敵だなって思います。
それから、コーヒーが苦手なのにインストラクターを取得された方。もともとはチョコレートの講座に来てくださったのですが、コーヒーを飲むと頭が痛くなるから…って、試飲もされなかったんです。でもそのあと、(亡くなった)友達の遺志を継いでカフェをやりたい!ってコーヒーを習いに来てくださったんです。
そこで初めて焙りたてコーヒーを飲まれて、全然違う!これはもう誰かに教えたい!って、インストラクターの取得まで進まれました。その方が、私の教室から初めて誕生するインストラクターになるなんて…。思いもよらないことが起こるなぁって感じています。
五感を使って情報を知識へ。コーヒーだけじゃなく体験も味わってほしいから…。
――どんな教室でありたいですか?
今の時代、ネットや教科書には情報があふれているし、豆や道具はどこででも買えます。
でも、ネットや教科書にあるのは情報だけ。例えば、豆の触感、焙煎する前後の色の違い、焙煎するときの音や香り、淹れたてコーヒーの味…。五感を使って感じることで初めて情報が知識になると思っているから、とにかく体験してほしいって思います。

――今後はカフェもやられる予定ですか?
カフェをやりたい!っていうより、今はレンタルスペースで講座をしているから、集まれるところが欲しいかな。講座もできるし、みんなも集まれる場所。
空いているときはカフェをやったりするのもいいけれど、私はそこにしばられるっていうのがあんまり好きじゃないから、私だけのカフェじゃなくて、生徒さんと日替わりで店長をできるカフェとかできたらおもしろいかなって思います。
みんな一度(お試しで)店をやってみたい!って気持ちはあると思うから、それをバンって叶えられるような場所。コーヒーって美容院の待ち時間やサロンの施術の後とか、いろんな場面で飲むでしょ?
だからカフェの枠にとらわれず、その人が考えるヴィジョンに添ったコーヒーの提供を体験してもらえる場所が作れたらいいなって思っています。
取材後記
今回お話を伺うまで「コーヒーが好き」からスタートされたとばかり思っていたので、正直驚きました。
家庭や仕事を優先してこられたなかで、これからは自分の好きなことをやりたい!そう思われたのをきっかけに、いろんなことを始められた恵子さん。自分の好みがわからない…から、自分にとって心地よいものや環境を取捨選択されることで、新しい道を作ってこられたから、いろんな体験を楽しむことができる方なのだと感じました。
自分だけのカフェじゃなく、みんなで集まれる場所にしたいという思いも素敵だなぁ…。
恵子さんの講座でいただける、焙りたてコーヒーもカカオ豆から作るチョコレートも、市販品とはひと味違います。

ぜひ実際に五感で体験してみてくださいね。
INFORMATION
店名:
an.coffee roast
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。






