私のスタートライン|ひとり親家庭支援団体代表 髙畑富美代さん
私のスタートライン
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私のスタートライン|ひとり親家庭支援団体代表 髙畑富美代さん
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東濃地域で「私らしく」活躍する方に焦点を当て、毎日を全力で楽しむ「秘訣」をご紹介するインタビュー記事「私のスタートライン」
今回お話を伺ったのは、ご自身のひとり親育児の経験から、ひとり親家庭の親も子もほっとできるような居場所を作りたい…と、岐阜県土岐市にて、東濃地域のひとり親家庭の支援を中心とする団体を立ち上げられた髙畑富美代さん。
当事者だったからわかること、活動していくなかでふれた人のあたたかさ、ボランティアならではの大変さ…など、ココロがほっとあたたかくなるようなお話、たくさん伺ってきました。
目次
ひとりだけど、ひとりじゃない。ひとり親家庭のオアシスを目指して…【Ferel(フェリル)】
私が救われたから…
――活動を始められたきっかけはなんですか?
私自身、シングルマザーとして ひとり親家庭を経験してきました。ひとり親家庭になる際、子どもたちの負担を考えると、できるだけ環境を変えたくなかった…。それが実現できたのは、実家の近くに家を建てていたことが大きかったと思います。
でも、県外など遠方から嫁いでみえた方は、それまでの子どもの環境を維持するためには、ご実家近くへ引っ越すことも難しいですし、頼れる方も多くはないと思うんです。私は自分の親も含め、まわりの人たちのサポートが本当に有難かった…。だから今度は私が だれかのチカラになりたいってずっと思っていましたし、経験した当事者だから理解できることも多いんじゃないかなという思いもありました。
ひとことで“支援”と言っても、さまざまなものがあると思うのですが、私がいちばんに取り組みたかったのは“安心できる居場所を作る”ということ。

実際、ひとり親家庭を対象にしたサポートをされている団体さんが県内にもあって、私も参加者として登録はしていました。遠方なので、なかなか参加はできませんでしたが、活動内容などを拝見するたびに、こんなこと地元で実現できたらいいな…と思っていました。だんだんその思いが強くなってきて、あるとき代表の方に「なにか私にもできるでしょうか?」とご相談させていただいたんです。
そしたら「まずはお茶会を開いてみたらどう?」ってアドバイスしてくださって、Ferel(フェリル)を立ち上げることを決めました。

土岐市を拠点に東濃全体へ広げたい
――Ferelさんの主な活動はどんなことですか?
2025年1月に立ち上げて、現在の活動内容は、こども食堂の開催、ひとり親家庭で集まってのお茶会などを中心に活動しています。

それに加えて、この先やっていきたい活動として、ひとり親家庭のお子さんの学習支援ができる居場所づくりを考えています。
頻度としては、こども食堂とお茶会は月1回、学習支援は月2回くらいのペースかな。
どれも大切にしていきたい活動ですが、今はお茶会をメインに考えています。
――Ferelさんへの参加は土岐市在住の方限定ですか?
サポートメンバー5人全員が土岐市在住なので土岐市限定の活動団体だと思われがちなんですが、土岐市を拠点に東濃地域全体に広げていけたらいいなと思っています。

うれしいことに最近では、可児市の方からお問合せをいただいたり、多治見市の方が参加してくださったり…と、少しずつ知っていただけるようになってきました。
みんなでつくっていくオアシス…。スタートして見えてきた課題
――スタート時はどんな感じだったのですか?
まずはお茶会を…とスタートしたわけですが、開催には資金が必要。それをどうするか…とサポートメンバーで相談し、お茶会開催のためのバザーをすることにしました。

多くの方にご協力をいただいたおかげで、念願の第1回お茶会を5月に開催することができました。
ただ、最初から多く集まっていただけたわけではなくて…。どうしたら皆さんにFerelの存在を知っていただけるか、どうしたらお一人でも参加しやすいのか、どんなことが求められているのか…など、クリアしていかなくてはいけない課題が見えてきました。
――課題クリアのために、どんなことをされたのですか?
まずはFerelの存在を知っていただくために、情報発信に力を入れました。SNSやLINE公式アカウントはもちろん、地元ラジオ局の番組へも出演させていただきました。

それから、多治見市で20年以上子育て家庭のサポート活動などをされている方にアドバイスをいただいて、土岐市内のショッピングモールで開催されたイベントにワークショップで出店もしました。

お一人でも参加しやすい…については、自分が立ち上げの際に相談させていただいた団体のお茶会のことを思い出してみました。じつはその団体のお茶会には、お一人で参加されている方がほとんどだったんです。そこに参加されていた方たちにお話を伺ってみると、最初はSNSなどで検索して、行ってみようかな…と参加されたのだそうです。
それを継続されているのはなぜなんだろう?と考えたとき、自分だったら、そこで気軽に話しかけてくださる方がみえたり、1人で参加していても輪のなかに入っていけるような雰囲気を感じられたら、次もまた行ってみようかなって思える。そういう環境づくりを心掛けてみようと思って、試行錯誤しているところです。
どんなことが求められているのか…。それって人によって違うじゃないですか。物質的な支援を必要としている方もいれば、悩みを共感できる仲間を求めて参加される方もいらっしゃる…。だから“私たちのやってみたいこと”だけにこだわらず、参加してくださる方の意見を聞くのがいちばんだなって思って、アンケートやLINEなどを活用して教えていただいています。私たちだけでは思いつかないような企画もあったりして、とても勉強になります。
これまでに実現できたのは ボウリング、バレンタイン企画として親子でのお菓子づくりです。


お菓子づくりに関しては、お茶会にも参加してくださっている方が講師を引き受けてくださいました。そういったご縁に恵まれたことにも感謝しています。

ちなみに今、やれたらいいな…っていちばん思っている企画はバーベキューです。やっぱりバーベキューって大人数でワイワイやる方が楽しいじゃないですか。ひとり親家庭だとそういう機会も少ないし、夏休みのような長期休暇の思い出づくりになったらいいなって考えています。
サポートする側も楽しめるこども食堂を届けたい!
――こども食堂もひとり親家庭限定ですか?
こども食堂には、そういった限定はありません。どなたでもお越しいただいて構わないのですが、私たちは50食限定なので、事前予約をお願いしています。

いろいろなスタイルがあると思うのですが、私たちは毎月土岐市内の飲食店さんにご協力いただいています。
2025年8月からスタートしたのですが、初開催の際は告知不足もあって、なかなかご予約いただけなくて…。
このままじゃいけない!と、多くの方に“ときフェリルこども食堂”を知っていただくため、こども園でチラシを貼っていただいたり、SNSでの情報発信に力を入れました。
おかげさまで、2回目以降は50食すべてご予約いただいています。

いろいろな地域の方に利用していただきたいから、特定の地域に偏らないよう、土岐市内のいくつかの飲食店さんに交代でお願いしているのですが、なかには「こども食堂のことは知っていて、やってみたかった」と言ってくださる飲食店さんもあって…。私たちだけでは思いつかないようなことを提案してくださることも多く、勉強になります。
ご協力くださっている飲食店さんには、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。
来てくださる方はもちろん、飲食店さんも私たちも楽しめる こども食堂になったらいいなと思っています。
大人も子どもも、楽しみがあれば頑張れる!
――学習支援というのはどのような感じでスタートされる予定ですか?
学習支援と言っても、塾のような勉強を教える場という感じではなくて、集まってみんなで勉強する場を提供して、家庭学習ができる習慣をつける場といった感じで考えています。
勉強が終わったら、みんなで遊ぶ…とか、なにか楽しいことがあるよー!ってなったら、みんな頑張れるじゃないですか。


それに、だんだん年齢が大きくなってくると、身近な人に反発しちゃって素直になれない子とか、親にはなんか言えないけど、だれかに聞いてほしいこととか出てくると思うんです。そういうお子さんのメンタル的な部分もサポートできたらいいなって思いもあります。
で、その間に親さんたちは、情報交換したり、おしゃべりしたり…。ちょっとでもココロが軽くなるような場をつくれたらいいなと思っています。
できるだけ長く継続していくために…
――これからやっていきたいことはどんなことですか?
2025年はずっと自分のなかでやりたいって思っていたことが少しずつカタチになってきた1年…。でもひとつひとつが初めての経験で、手探りしながらやってきたので、この経験を活かしながら、計画的な活動をしていけたらいいなって思っています。

参加者の皆さんから“楽しかった”“来てよかった”“また来たい”って言葉をいただくと、やってて良かったなってうれしくなりますし、励みにもなります。

正直やりたいことはたくさんあります。ただ、あくまでもボランティア活動であるため、時間も資金も限られています。
私を含めサポートメンバーにも仕事や家庭、さまざまな事情がある…。だから少しでも長く継続するために、お互いに無理なく“できる人”が“できるところ”で“できる範囲”のことを楽しんでやっていきたいです。
取材後記
お話を伺っていると「皆さんのおかげで…」「ご縁をいただいて…」と、まわりの方への感謝の言葉がいっぱいの富美代さん。
その笑顔から、Ferelさんでの活動をご自身も楽しんでらっしゃるのが伝わってきて、なんだか あたたかい気持ちになりました。

いろんな家族のスタイルがある現代、お互いの立場を理解し、尊重し合えるのが理想ですが、やはり”当事者だからわかること”が少なからずあるのも事実です。そういった意味でも、ご自身が経験されたことがベースにあるからこそできるFerelさんのサポートは、ひとり親家庭の方々にとって心強い存在となっているのではないかな?と感じました。
Ferelさんのような活動の輪が広がって、だれにとってもやさしい世界が実現できたら素敵ですね。
INFORMATION
店名:
ひとり親&こどもたちの ほっとできる場所 Ferel~フェリル~
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。






