美濃焼探訪|土岐市|有限会社ZEROJAPAN
いろんな産地の器を見るにつけ、美濃焼に一番心惹かれる。手に取るのはいつも美濃焼ばかり。買うばかりだけではなく、実際に作られている現場で取材したい。以前から愛用しているZEROJAPANさんへ取材依頼を出してみました。嬉しい事に取材させて頂けることになったので、楽しみでわくわくしながら取材へ。
目次
お洒落な美濃焼が出来るまでの工程を見学。その場でレアな商品のお買い物も出来る!
いざ製造の現場へ
友人に連れられて陶器市に行って以降、陶磁器に詳しくなかった私の方がすっかり陶器市巡りにハマることになるとは・・・。美濃焼って何とか自分で買い揃えられる金額。食卓でちょっとした贅沢気分を味わえる商品。そんな商品が多いですね。実際に素敵な商品を作られている企業に、お邪魔してきました。
まずは陶器のお勉強
ZEROJAPANさんの会社所在地に到着してすぐに、車で少し離れた製造の現場へ連れていってもらいました。自分の所有している商品(ユニバーサルティーポット)が目の前で出来上がっていく流れを順番に見学。

①鋳込み 土を型にはめてポットの型を取る作業。始めからもう取っ手の付いた状態で型をとられたのに驚きました。この状態での鋳込みは難しいそうです。中に入っている泥を流して型から抜く。乾くと生地が収縮するので、型から抜くタイミングの見極めも大変だとか

②型から抜いた生地を乾燥 最初は粘土の色そのものだったのが、時間の経過と共に少しずつ白くなっていきます。
③生地の仕上げ 型から抜いた生地に型の跡がつきます。生地に残った筋のような鋳型の跡を綺麗に仕上げます(バリ取り)ポットの注ぎ口についた土をとる。
④素焼き 1回目に窯の中に入れて焼く作業
⑤生地検品 窯から上がって来たものをチェックします。焼いたものに穴がないか。表面が欠けていないか。表面に突起がないかの確認を行います。
⑥施薬 釉薬を生地につける作業。沢山のカラーバリエーションがあるこの会社さんは、施薬の工程で色ごとにきめ細かな微調整が必要。発色に影響する重要な工程。

⑦本焼成 酸素の中でやく酸化焼成と火の中で焼く還元焼成の2つのやりかたで生地が焼成されていました。酸化焼成は透光性が無く、還元焼成は透光性があり。色によっても窯の中で置く場所も計算されています。窯の中には沢山の生地を並べますが、外側には高温でも大丈夫な色。真ん中のあたりには、色むらが出る色を計算して配置するのが決まりです。

⑧検品 はますり板でハマ(裏側の段差の部分)をさらさらに。茶こしをつけて蓋をする。ゼロジャパンのシールを貼ってポット本体の完成です。そこから本体を箱詰めして、出荷する前の段階までが遂に終了。
⑨商品の組み立て箱入 主力商品のティーポットやキャニスターは各々個体に合うようなパッキンや金具を調整しながら全て専属スタッフによる手作業で完成させています。
一連の流れを見て
それぞれ作業されている職人さんを見て、普段使っている商品に時間が途方もなくかかることに気付きました。深く考えずにネットショッピングばかりしていると、そういう当たり前な事に気付かなくなってしまって反省することしきり。正確な作業の中にも、価格競争で生き抜いていくためにロスをなくす工夫も教えて頂き、進化し続けるものづくりを直接肌で感じました。OEMという垣根を越えて、中に入って一緒に働くという仕事は新鮮に思えて、これからの企業の1つの指針になるかもしれません。
釉薬の進化と職人さんの技術
ZEROJAPANの商品はカラーバリエーションが豊富。100色を超えるカラーがラインナップされています。似ているけど、ほんのちょっと違う色を発色させているのは施薬担当の職人さんのお仕事。釉薬が進化して沢山の色が世に出ると、消費者側では選ぶ楽しみがあって嬉しい。
でもお仕事としてなさっている方々は、色ごとに釉薬に浸ける時間やつける量の緻密な計算も常に必要とされ続けています。新色が出ると、思い通りの発色になるまで微調整が続きます。施薬や焼成をして色や質感の確認作業は続くそう。狙った通りの色になるまで一体どれだけ試行錯誤が続くのか。
ZEROJAPANの定番アイテム ①コーヒーキャニスター

元々アメリカ向け貿易の商品をお作りなられていたZEROJAPANさん。定番で売られている商品の中でもコーヒーキャニスターに対する思い入れはひとしお。アメリカの某有名コーヒーチェーン店にも採用されたアイテムだそうです。今ではそこから派生して大きなサイズから小さなサイズ。ネット限定で買えるかなり大きなサイズのキャニスターも登場。会社の中でお話を聞いていると、もっと大きなサイズも展示してありました。迫力が凄い。キャニスターはすべてのパーツが国産で、金具やパッキンそしてキャニスター本体も全て日本製。パッキンが痛んだら交換用のパーツも販売しています。
②ユニバーサルティーポット

元々海外に強かったZEROJAPANさんの商品。ポットの外見やハーブティーブームでユニバーサルティーポットが一躍人気商品に。海外の動向には、アンテナをしっかり張られているとか。時間差で日本でも売れるようになったそうです。日本のライススタイルも欧米化してきた為、多少タイムラグがあって日本の市場にもフィットしてきたとの事。ヨーロッパでのヒット後日本ですぐには受け入れなくてもずっと作り続けられたのがヒットの土壌に・・・。ポットは右手でも左手でも使えるユニバーサル商品。何種類も大きさがある中で、現在は2人用のポットが非常に売れているそうです。
③コーヒードリッパー

自宅でコーヒータイムが流行る前から、コーヒードリッパーの製造をされていました。サードウェーブブームも相まってヒット商品に。喫茶店が減った一方で、現在個人のコーヒー屋さんも増えましたし、国内において自宅で自分で入れるコーヒー文化はしっかり根付き、コーヒーに使うアイテムの需要も高まりました。ZEROJAPANさんはどちらかというと今を見て作られているというより、先に起こるであろう需要を見越して、先手先手で商品の開発をされておられるような印象を受けます。既にもう作ってある自社の商品を売る術に長けてらっしゃる感覚を覚えました。100色あればその色の中から売れ筋になりそうな色をピックアップして、増産できる。柔軟に世の流れに対応して、今既にある商品を売るタイミングをきっちり逃さない。不景気になると気持ちがどうしても内々に行きがちですが、外を向いて勝負するというのは、すごく勇気が必要だと思いました。
おすすめ商品 抹茶サーバー

海外の方が抹茶を立てるのに、使いやすいと好評。カジュアルにお茶を楽しむ方に受けているのだそう。注ぎ口から液だれしないのがおすすめポイント。
商品の人気カラー
アメリカは青系・ブルーベリー・アイボリー・トマト
アメリカ以外の国では アースカラーや貫入(クラックル)シリーズやジーンズブルーが人気
日本ではジーンズブルーやピンク系の色やバナナそして緑系が人気。

写真のコーヒードリッパーのカラーが、ジーンズブルー。海外でジーンズブルーが人気色になって、日本でもほとんどの製品に採用されているカラー。現在日本でも人気色に。実物のジーンズブルーは、暗めの紺色。光の加減によっては黒にも見えます。渋さもあって男性人気の高い色。マリンブルーは王道の紺色で、こちらも負けず劣らず良い色です。私は沢山あるカラーバリエーションの中でも、マリンブルーがかなり好きです。ZEROJAPANさんには青系にしてもグリーン系にしても何色もありますので、どの色にするか迷う楽しみがあります。記事で紹介できなかった色の中にも、綺麗な色は多いです。是非あなた好みの色を探してみて下さい。
業務用にはノーブルブラックが人気との事。マットカラーや貫入(クラックル)シリーズは、作るのが難しくて、シルクグレイズカラーは汚れが付きにくいように改良されたセミマットな質感の色です。
記事の中の商品は、ZEROJAPAN公式オンラインストア楽天市場店等で購入できます。https://www.rakuten.co.jp/zerojapaninc/
海外でしか買えないアイテムや、日本では普段手に入らない色が楽天のお店にでは海外出荷限定商品コーナーに追加されたりもします。
意外と知られていないゼロジャパンの商品買い物法
取材が終わってからゼロジャパンの倉庫で希少なアイテムを買い物してきました。難しいかもしれないと思っていたら、買い物は業者さんじゃなくても可能で、一般の方でも事前に連絡して行けば倉庫でのお買い物は可能だそう。ガレージセールは、まるで宝探しのようです。思っていた以上に倉庫が広い。昔はあったけど、製造終了して買い逃したあの商品。最近こちらの会社の商品にハマってどんなアイテムがあるか気になっている。そんな方は今は手に入らないものが、ここで運よく見つかるかも。その土地に旅行がてら、良いなと思える商品を買える斬新な体験も出来ました。
まとめ 最初からこの商品のこの形・この色を探したいと決めて倉庫に来られた方が、買い物対応して下さる企業の方もスムーズかもしれません。意外なものにセンサーが反応して、買い物するというのもまた楽しみではありますが・・・。私も倉庫でのお買い物がとても楽しかったので、またお邪魔します。そして私が普段使っているアイテムもこの方々が、これだけ時間をかけて作って下さっているんだと思いました。これからは、今まで以上に大事に使います。製造工程を見学させて頂き、焼き物づくりの流れを把握できたのはライターとして大変勉強になりました。本で読むのとはまた違う具体的なイメージが湧き、頭の中で多くの事が理解しやすかったです。最後になりましたが 宮嶋様 横井様 有限会社ZEROJAPANの皆様方 お忙しいところ取材に貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
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