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私のスタートライン|助産師・保健師 堀内淑乃さん

私のスタートライン|助産師・保健師 堀内淑乃さん

東濃地域で「私らしく」活躍する方に焦点を当て、毎日を全力で楽しむ「秘訣」をご紹介するインタビュー記事「私のスタートライン」
今回お話を伺ったのは、岐阜県瑞浪市にて助産院を開業された堀内淑乃さん。
助産師として、保健師として、同じ子育て中の母として…。さまざまな立場から、多くのお母さんと赤ちゃんに関わってこられたなかで経験されたことや感じられたこと、淑乃さんが助産師を目指されるきっけけとなったエピソードなど、たくさんお話しいただきました。

私が関わっているのは人生のスタートライン。だれもが自分らしく生きていくために…。堀内淑乃さん

助産師・保健師 堀内淑乃さん

私のスタートライン

助産師・保健師 堀内淑乃さん

瑞浪市出身、在住。
看護師をしている母の姿に憧れ、医療や看護の道を志す。学生時代の経験がきっかけとなり、助産師に。
病院や保健センターでの勤務などを経て、2023年4月にはるかぜ助産院を開業。産後ケアや母乳・育児相談、包括的性教育などを中心に活動。
プライベートでは3児の母として、日々子育てに奮闘中。

瑞浪市出身、在住。
看護師をしている母の姿に憧れ、医療や看護の道を志す。学生時代の経験がきっかけとなり、助産師に。
病院や保健センターでの勤務などを経て、2023年4月にはるかぜ助産院を開業。産後ケアや母乳・育児相談、包括的性教育などを中心に活動。
プライベートでは3児の母として、日々子育てに奮闘中。

母の姿に憧れて…

――助産師になろうと思ったきっかけはなんですか?

私の母は看護師をしていて、憧れというか、その姿をカッコいいなって思って育ちました。だからなんとなく、看護系とか医療系とかに進みたいなって思っていて…。

中学生のとき、職場体験で行った病院で、担当してくださった方が、おなかのなかにいる赤ちゃんの心音を聞かせる”ドップラー”というのを体験させてくださったんです。そのとき、あっ、赤ちゃんがここにいるんだ…って、すごい感動して。そこから、そういうお仕事っていいなって思い始めました。

それから高校生のとき、職業の講話みたいなので産科医の方のお話を聞いて、赤ちゃんも子どもも好きだし、助産師っていいなぁって。そこから助産師の資格が取れるような大学へ行こう!ってなりました。

今になって思ってみると、だれかの役に立つことがしたかったのかもしれません。

 

――助産師って具体的にはどんな仕事ですか?

多くの方は、病院にいて出産の手伝いをする人を想像されると思います。そのほかには市町村の保健センターで働いていて、母子手帳交付のときの面談や、妊婦さんの訪問をされる方もみえます。今、全国的に産後ケアの事業も推進されてきていて、産後ケア施設や産後ケアホテルで働いている方や、助産師の資格を活かしていのちの大切さを伝えるために性教育をされる方…など、最近は働き方も多様になってきていますね。

出産に関わりたい方もいれば、妊娠期に関わりたい方、産後に関わりたい方…と、それぞれ関わっていきたい分野はあると思うので、それに合った職場を選択しやすくなってきたかなと感じています。

 

助産師として、保健師として

――大学を卒業されてから、ずっと助産師をされているのですか?

大学を卒業して、地元の総合病院で助産師として働き始めました。助産師のほかに保健師の資格も持っているので、結婚を機に、一度病院ではなく地域の仕事がしたいと思って、市役所で保健師の仕事も経験しました。産休・育休などを活用しながら子育てと両立していましたが、3人目を出産するとき、助産院を開きたいなと思って退職して、この助産院を開業しました。

今は助産院の仕事と並行して、助産師として保健センターの仕事をしたり、多治見市で産後ケアに関わる仕事もさせていただいています。

 

――助産師ではなく保健師として働いてみて、どんなことを感じられましたか?

自分的にはとてもいい経験だったなぁと感じています。病院勤務のときは1ヶ月くらいまでの赤ちゃんとお母さんにしか関わってこなかったけれど、保健師だと赤ちゃんだけじゃなく1歳半とか3歳とかの健診も担当するので、そこで子どもの発達についてや、お母さんの大変さなど、たくさんのことを学びました。それは自分の子育てや、今の活動に活かせていると思います。

 

――現在瑞浪市には出産できる病院などがないと聞きますが、こちらでは出産にも対応されていますか?

そうですね。今は瑞浪市内に出産に対応できる病院などはありません。皆さん近隣の市町村にある産科を受診されているようです。

私も出産には対応できていません。常時動けるように準備を整えておかなければいけませんし、やはり1人では対応できないので…。出産に関わることも素敵だとは思うのですが、私は産後のお母さんと赤ちゃんに関わることを中心にやっていきたいなと思っています。

あとは、いちばん上の子が保育園のころに出会った“包括的性教育”というのがとても素敵な考え方なので、それを多くの方に伝えていきたいと思って活動しています。

 

だれもが自分らしく生きていくために

――包括的性教育って、どんなものですか?

いちばん上の子が保育園のとき「〇〇ちゃんは自分のこと大好きなんだ!」って言っていて、その気持ちをずっと持っていてほしいなって思ったのがきっかけです。

大人になるにつれて、だれかとくらべたり、失敗したり、いろんな経験をしていくなかで、自分のことが好きじゃなくなったり、自信をなくしていくこともあるかと思います。そんなとき、たとえ だれかとくらべたとしても、自分には自分の良さがあって、ありのままの自分が大切にされる存在なんだと感じてほしい…。そう思ったとき出会ったのが“包括的性教育”でした。

日本ではまだ馴染みのない言葉かもしれませんが、少しずつ広がってきていると感じています。

“性教育=性器や性行為について学ぶもの”というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、包括的性教育はそれだけではないんです。

自分のカラダを知って大切にすること。嫌なことは「イヤ!」って言っていいんです。だけど、自分だけじゃなく相手も大切な存在なのだと理解して、相手の気持ちや「イヤ!」も尊重する…。

例えば、男の子がプリンセス大好き!だっていいし、極端な話、将来カエルになりたい!とかでも全然いいんです。性別やその人らしさを自分の価値観で決めつけず、個性やちがう価値観を互いに認め合いながら、だれもが自分らしく生きていくための学びが包括的性教育だと思っています。

どちらかと言えば“性”教育というより“生”教育という感じに近いのかもしれません。

私たち大人が持っている考え方や、〇〇らしさっていう価値観を押し付けるのではなく「あなたはあなたでいい」と、その子の思いや個性を尊重することを幼いうちから くり返し、だれもが大切な存在なのだ伝えていくことが“こころの土台”になっていくんじゃないかなと思っています。

私自身も3人の子育てをするなかで、それぞれにちがった個性があることを実感していますし、包括的性教育を学んでいたことで、受けとめれられたこともありました。その必要性を身をもって感じたからこそ、もっとたくさんの方に知っていただきたいなと思っています。

 

頼ることの大切さを伝えたい

――産後ケアを中心に活動されているのはなぜですか?

産後のお母さんと赤ちゃんに関わるのが好きっていうのがいちばん大きいです。それに今、自分も子育て中なので、お母さんの気持ちに寄り添ったり、共感したりできることが多いんじゃないかなとも感じています。私もそうですが、ただ話を聞いてもらったり、共感してもらえるだけで気持ちが楽になることもあるので、近い環境の立場からサポートできるかなと思っています。

 

――今までやってこられたなかで、印象に残っていることはありますか?

個人的なお話になるので詳細は控えますが、赤ちゃんのためにがんばりたい!というお母さんの気持ちに寄り添うだけじゃなく、だれかに頼ったり、お母さん自身が休息をとることの大切さを伝えることが必要だと改めて実感する出来事がありました。

赤ちゃんのためにがんばれるのは素敵なことですが、自分ががんばりすぎていると気づくことができなくなっているお母さんもいらっしゃいます。お母さんなんだから、赤ちゃんのことは自分が全部やらなきゃ!って思わなくていいんです。

心を鬼にして…じゃないですが、結果として私が嫌われたとしても、お母さんと赤ちゃんが安心して過ごしていくために、お母さん自身が休むことや、だれかに頼ったりすることの大切さを強く伝えていきたい。

とにかく、お母さんが安心して頼ることができるのがいちばん大切。だから相手はだれだっていいんです。私たちのような産後ケアに携わっている人でもいいし、パートナーやご家族、お友達のような身近な人だっていい。そこで私を頼ってくれたときには、お母さんが心地よく過ごせるような関わり方ができたらいいなって思っています。

 

私が関わっているのは、人生のスタートライン

――やりがいってどんなことですか?

助産師になりたい!そう思って助産師になって、実際に働いてみたら大変なこともたくさんありました。でも赤ちゃんやお母さんに会うと、いつも逆に元気をもらうというか…。今の働き方も含め、助産師は私にとって天職だなって思っています。

赤ちゃんって、みんな本当にかわいいんです。その後の人生が、育っていく環境や出会う人によって、より素敵なものになるのだとしたら…。そんな”人生のスタートライン”に関わっていると思うと、なんだか身の引き締まる思いもあります。

育児って、長く続いていくものなので、私と出会ったことが、これから育児を続けていく活力につながったらうれしいなって思います。

 

取材後記

包み込むようなやわらかい雰囲気の淑乃さん。

記事ではふれていませんが、3人のお子様とのエピソードを語ってくださるときの笑顔はとてもやさしくて、その光景を想像しただけで、なんだかあたたかい気持ちになりました。

そして、そのやさしさのなかに、助産師として、いのちと真剣に向き合う強さや覚悟のようなものも感じました。

“個性”“多様性”という言葉をよく耳にする現代。淑乃さんが伝えていきたいと語られていた“包括的性教育”が、必要とされる多くの方に届いて、お互いを尊重しあえる世界が広がっていったら素敵ですね。

 

 

 

INFORMATION

店名:

はるかぜ助産院(岐阜県瑞浪市)

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。